新春インタビュー
東條 聡
三和コムテック株式会社
執行役員
弊社 三和コムテックでAutoMateの責任者を務める東條 聡が、2019年の振り返りと2020年のAutoMateについて、語ります。
前年の2倍以上成長した2019年の業績
2020年は2019年の3倍に
ーー 2019年はどのような1年でしたか。
東條 おかげさまで、近年にない超多忙な1年でした。AutoMateの売上高は、前年(2018年)の2倍以上になりました。
ーー その絶好調の理由は何ですか。
東條 3つあると考えています。1つは、新規のお客様への販売が増えたこと、2つ目はサーバー版(AutoMate Enterprise Server)の普及、3つ目はAutoMateとほかのツール/サービスとの組み合わせソリューションの販売増です。
新規のお客様への販売が拡大したのは、RPAに対する認知・理解が広がって導入に踏み切るお客様が増えた、というRPA市場全体の拡大が背景にあります。
その中で、AutoMateを新規のお客様に選択いただけたのは、早期に導入されたAutoMateユーザーの成功例が非常に大きかったと思っています。「こんなふうに導入すればいいのか」とか「そんなメリットがあるのか」というように思われたのでしょう。AutoMateならうまくいく、という情報が着実に浸透していったのがありがたかったですね。
それと、2017~2018年に導入されたアーリーアダプターのお客様の多くがライセンスを追加購入されたのも、2019年の売上増の大きな要因です。
2017~2018年に導入されたお客様は大半がスモールスタートでしたが、一部の業務から複数の業務へ、そして部門から会社全体へとAutoMateの適用範囲を広げる動きが2019年に見られました。
お客様の間で
サーバー版が広く普及
ーー 2つ目の「サーバー版の普及」とは何ですか。
東條 AutoMateには、大きく分けてデスクトップ版とサーバー版の2種類があります。サーバー版には、複数のマシン間やタスク間の連携のほかにワークフローによる条件分岐などを高度な機能が装備されていますが、もう1つの特徴は、多数のタスク(ロボット)を一元的に管理できることです。
今しがた、スモールスタートされたお客様の多くが業務自動化の対象を拡大する話をしましたが、タスク(ロボット)が増えると運用管理の工数が増えるので、その効率化が課題になります。そうした時にサーバー版の運用管理機能が効果的なのです。運用工数の削減を目的に、サーバー版の出荷を大きく伸びました。
最近は、運用管理が重要になることを見越して、最初からサーバー版を導入されるお客様が増えています。
ーー 3つ目の「ほかのツール/サービスとの組み合わせソリューション」とは何でしょうか。
東條 たとえば、AutoMateとOCR製品の組み合わせでは、FAXで受信した手書きの注文伝票をOCRで読み取り、その結果をAutoMateに取り込んで基幹システムへの登録などが簡単に自動で行えるようになります。
つまり、他のツールとの組み合わせソリューションとは、AutoMateで自動化できる範囲をさらに一歩広げるソリューションなのです。この分野はアイデア次第ですので、今後さらに組み合わせソリューションの数が増えると見ています。昨年は、さまざまなソリューションを持つパートナーとの提携が拡大し、お客様への導入が進みました。
*「AutoMateソリューションガイド ~RPAの効果的利用を促進するソリューション!」はこちら
ーー ほかに、トピックスはありますか。
東條 年間を通してたくさんのイベントに出展し、いろいろなお客様とお会いできたことと、AutoMateをお使いのお客様から貴重な体験談やご意見・ご感想をうかがえたこと、そして5月の『かんたん! AutoMateでRPA』(冊子)の発行や、8月の「AutoMate Portal」(本サイト)のオープンなどがありました。お客様と一緒に、一歩ずつ着実に進んでこれたと思っています。
AutoMateの新バージョンを
2月にリリース、多数の強化
ーー 2020年の計画を教えてください。
東條 製品面では、プロダクトラインを大幅に強化し、かつシンプルにします。
現在の製品は、2種類のデスクトップ版と1種類のサーバー版というラインナップですが、これを1種類のデスクトップ版と2種類のサーバー版に再編し、強化します(図表)。それと同時に価格改定も行い、実質的に値下げします。
この再編・強化の理由は、お客様のご利用ニーズの中心がサーバー版へと移ってきているからです。お客様の変化に合わせたプロダクトラインの改訂と言えます(*新プロダクトラインの詳細紹介は2月27日に掲載します)
また、プロダクトラインの全面改訂に伴い、用語も変更しました。従来の実行環境は「エージェント」から「ボット」に、開発環境は「デベロッパー」から「スタジオ」へと変わります。
ーー ほかにありますか。
東條 2月に、新バージョンのリリースを予定しています。今回のバージョンでは、Google Chromeの新規サポートを含むWebブラウザ・アクションの強化や、対話機能アクションの強化、負荷分散機能の強化が主な強化点が含まれています。
また、そのあとの機能拡張としては、テンプレート的な使い方ができるシナリオ機能の拡充や、自動レコーディングの拡張などを2020年中に予定しています。
さらに、AutoMateのOEMやサブスクリプション版の提供もスタートします。OEM版は、AutoMateの名称が表に出ることはありませんが、あるソリューションの関連業務・周辺業務を自動化するツールとして世の中に出ていきます。AutoMateの幅広いソリューションが理解されるに伴って、そうした利用は増えていくだろうと考えています。
サブスクリプション版は、クラウドサービスの1つの形態としての提供になります。使用した分だけ課金され、サービスの利用や停止がライセンス版よりも柔軟に行えるメリットがあります。詳細は、追ってのご案内になります。
イベントへの出展、セミナー開催を
回数を増やして継続
ーー 製品以外では、どのような計画を立てていますか。
東條 2019年に引き続き、全国各地の展示会・セミナーに出展しAutoMateの世界を幅広くご紹介していきます。たくさんのお客様にお会いし、業務自動化でのお悩み事やご意見、ご要望をうかがいたく思っています。
また毎回すぐに定員に達してしまうハンズオン・セミナーは、回数を増やし、AutoMateに接していただく機会を多くするつもりです。既存のお客様向けには、AutoMateの最新技術情報の提供を目的としたコンファレンスの開催や、情報交換サイト「AutoMateユーザー・フォーラム」のスタートを計画しています。
AutoMate Portalは、利用してくださるお客様が着実に増えているので、技術情報(knowledge)やユーザー事例など魅力的なコンテンツをさらに拡充していく予定です。
ーー 2020年の目標は?
東條 2019年の3倍以上の売上を目標にしています。昨年からの活動を継続し、新しい施策や計画を着実に実行できれば、決して難しい数字だとは思っていません。
2020年は、AutoMateのご利用範囲が飛躍的に広がり、お客様の業務自動化がスケールアップし、グレードアップする年になると確信しています。
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